BLADE BEAST
あれから二日後。私は念願の美容室に行く事ができた。




できた…んだけど、本当に少し毛先を揃えたくらい。

他人には切ったか切ってないのかあまり分からないようなそれだけど、個人的には気にいっている。




晄はそういうところに関してはからきし鈍いから気づくわけもなく、寧ろ"あれ?髪伸びた?"とすっとぼけてくるのだから、笑えてくる。



でもまぁ、そんなもんだ。


恋愛というものはそんなもんであって、ロマンチックな展開だとか熱烈な情愛だとかは、所詮漫画やドラマの中だけの話なんだって割り切んないと、この前の女のようになる。







「ウェェ〜イ!莉央っ〜!おっはぁ〜!」

「……」




…そんな週明けの月曜。


高校三年。私の肩書きはそれ。



正直眠くてしょうがないながらもこうして学校に来ている。

ダル……と思いながら、クルクルと毛先を弄って窓の外を眺めている私のところへやけに騒がしい声が聞こえてきた。
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