BLADE BEAST
…また、何をしているんだ。

目を開けたまま呆然をする私へと、一つ伏し目がちな視線を落とした眞紘は、スルリと後頭部へと手を回す。



「…んっ…、まひ、ろ…」

「…」



何がどうしてこうなったのか、聞こうとしてもこの男は構うことなく唇を寄せてくる。

離れては、寄せる。

何の戯れ?

そんな思いを知ることなく、私の言葉は柔らかい唇と舌によって封じられた。




「…まひろ…っ、」

「…」




縛っていた髪が下り、それを何度も撫でるようにしてキスをしてくる眞紘は、本当に何がしたいのか。

ギシッ…と机が軋み、馬鹿静かな空間の中、しかも学校という公共の場なのだから妙な緊張感が生じた。

チュッというリップ音を響かせて、何処となく甘いムードを漂わせる眞紘は漸くそれを離してくれたのだが。
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