BLADE BEAST
「…」

「…」



唇を離しただけの、至近距離。

変わらずにサワサワと髪を弄ってくる眞紘は、何度も何度も触れてくる。

交わされる視線はやはり読めなくて、




「俺は髪、下ろしてる方が好き」




やっと口を開いたかと思えばそんなことを言ってくるわで、私はマジで素っ頓狂な顔をしてしまった。

……いや、本当に何だコイツ。

大したことはしてないような飄々とした面で髪を触る眞紘。

私は両手で携帯を持ったまま、奴の読めない瞳を見つめる他なかった。




「これ終わったら、家まで送る」

「…はぁ?」

「今日バイクで来たから、乗ってけよ」

「…うちの学校バイク登校禁止なんだけど」




そしてまた何でもなかったかのような会話。

私達の関係は、一言でいうならば曖昧だ。
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