BLADE BEAST
「何?莉央ってそんなこと気にするヤツだった?」

「…別に、そんなんじゃないけど」

「だったら構わねぇと違う?」

「それは…そうだけど…、それにこの時期明るいし、私別に一人で帰れるって」




てかそもそもこれ終わったら家に真っ直ぐ帰るだなんて一言も言ってないのに。

もしかしたら溜まり場に顔を出すって選択肢もあるっていうのに、シレッとした顔で"家に送る"だなんて。



「……送るから」

「…」



クルクルと毛先を弄る眞紘は、午前中はあんなに寝癖ついてると言ってきた癖に今度はそれを触ってくる。

机一個越しに向かい合う私達は近い。

廊下にも誰一人人がいなかったことが幸いだったかのように、妙な"秘密ごと"は続いていた。
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