BLADE BEAST
「…わ、分かったよ…」

「ん」



意味もよく分からないままに頷けば、眞紘も小さく返事をする。

────チュッと、また一つ唇を寄せて。



「…」

「…」



パチン…。

パチン…。


唖然とする私と、再び黙々と作業を開始する眞紘の視線が合うことはもうなくなった。

……謎だ。

いや。首を捻るだけでホチキスを握り始めてしまう私も私なのかもしれない。



眞紘と私の関係は何なのか、考えることも面倒臭く思ってしまう私は…やはりそういった面に置いて余程冷めているのか。

……プリントは半分ほど纏まった。




「…夏休み」

「…え?」



そんな頃、口を開いたのはホチキス留めを続けている眞紘で。

これまた唐突に話題を吹っかけてきたもんだ。
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