BLADE BEAST
だからきっと、溜まり場には行くと思う。

晄とどっかに行くことはあるのかないのか、ヤツは気まぐれだから分からないしあまり期待も興味も持ってはいないけど。

あんなところにいるよりは、マシ。



「別に?」



──そして、眞紘はまた私の問いに曖昧な答えを口にしてはクルクルと髪を弄ってくる。

ホチキスを置いて手を伸ばし、飄々とした顔で。




「…ねぇ、いいから。さっさとこの山、終わらせてよ」




でもそんなことしてる場合じゃない。

呑気に髪なんて触らずに、こっちの紙を触れ、と親父ギャグ的なものまで思い浮かんでしまったほど。



「…早く終わらせても、送るから」

「…はいはい」

「ん」



最後に甘いホワイトムスクを漂わせ、髪からスルリと手を離すと、眞紘はまたホチキス留めをしはじめた。

パチン…。

パチン…。

二人だけの教室で、ただそれだけの音が鳴り響いた。
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