BLADE BEAST

交錯する心。

「海ぃぃぃいいい！！！！」

「海よぉおおおおお！！！！」




それは、夏休みになって数日後のこと。

海開きをするやいなや我慢出来なかったと言わんばかりに、金髪女と紫のオカマがピョンピョン跳ねている姿がそこにはあった。




「あつ…」




ジリジリと焼き付けるかのような太陽の日差し。眩しいったらありゃしない大海原。

アホくさそうにも聞こえるカモメの鳴き声。

それに人。人。人。人。



──────何で私までこんな所に。





「今日はいっぱいおっぱいが見れるね」

「……一回溺死してこい」





横を見れば、そよ風を気持ち良さげに浴びている知的好青年が一人、髪を掻き分ける。

何がキラリ……だ。

……いやマジでキモすぎ。



隣に立つなってくらいに、ドン引きした私は賑やかな美織と豪太、そして思考がぶっ飛んでいる恭平を置いて海の家へと歩いて行く。