BLADE BEAST
見るからに能面で、感情に乏しそうな見た目をしているこの男。

担任はブチ切れるとそこらのヤンキーも敵わないほどだというのに、それを相手にしても遅刻ギリギリな上に飄々としているあまりにリスキーなマイペースさ。

私がそれを知ったところでどうなるわけでもない。

けれど、私はこの男とも面識があるってところが問題になってきていて。





"前からプリントが来る"





頬杖をついて窓の外を眺めている私はこの一瞬がどうも苦手だ。

当然前からプリントは回ってくるのだから私は嫌でもこの男から受け取らなければいけない状態に陥ることになる。



…ハラリ、ハラリと。



前からプリントが近づいてくる。

他の奴らは九十五%くらいは後ろの席の人間を振り返って渡すことなんて、面倒臭いしその必要性が皆無なのだから、しない。

私だって一番後ろじゃなければ、しない。
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