BLADE BEAST

増してや、能面で常に無表情に近い顔をしているこの男に限っては、想像も出来ずにいたのに、


「……」

「……」



差し出される手。

交わされる、瞳。


この男、────玖珂 眞紘≪クガ マヒロ≫は必ずと言っても良いほどに私の目を見てそれを回してくる。


「……」

「……」


お互いの視線が深く絡み合っていると分かりながらも、しばらく見つめ合っている時が多々ある。


受け取る私の手も動きを止める。

片手で頬杖をついたまま、お互いに感情を持たないようなそれが交差して。


飄々としているようで、冷たそうでもある独特な雰囲気を持った眞紘は茶色がかった綺麗な瞳ってやつをただ此方に向ける。

他の奴らみたいにただ手だけで回せばいいのに。

一番それをやってそうなコイツがよりによって、だ。