BLADE BEAST
不特定多数の女をカモフラージュにしていることも絶対無い。

女というジャンルを分け隔てなく愛している晄に間違いは無い。

嘘も何も無いし、これは本当に神に誓ってでもそうだというのに、何故私が選出されたのだろう。





"君が荻原莉央ちゃん?"

確かにこの男達は私の名前を知っていた。



────何故?








ヒュウ、ヒュウ…と何かを伝えてくるようにして風が吹き付けてくる。

ザク、とまた此方に足を進ませてくるリーダー格の男は、直ぐそこで敵である彼らがどんちゃん騒ぎをしているというのに動じることもない。

気がつけば、目の前に立っていた。




「確かに…荻原莉央ちゃん。君がトリガーだ」




私が考えていることを瞬時に理解しているように、男は笑った。

見知らぬ男。東側の人間。交わることは決してない向こう側。何故私という人間の名が上がる?

────少し、眉を顰めた。
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