BLADE BEAST
……え?


なんて私は大層意外そうな顔をしていたことだろう。

唖然とした目で瞬きを繰り返す私に、眞紘は手にプリントを持ったまま、変わらず涼しげな顔で私の事を見る。



「髪、切った?」



────まさか。とは思った。

ヤツが片耳にだけつけているシルバーのピアスがキラリと光った。

起きているか寝ているのか分からないような、薄っすらとした瞳で此方を見続ける眞紘。

プリントはまだ離さない。



「……え、あ…うん。切った」



思わず髪を弄れば、興味があるのか無いのかも分からないような瞳で────ただ、見ている。

いや、よくよく考えればコイツはそういう男だったのかもしれない。

……なんて、いつまでも離してくれないプリントを軽く引っ張る私はいい加減前を見ろのアピールをする。
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