BLADE BEAST
「晄が私のことなんて視野に入れてもくれなかったあの時。隣にいてくれたのは眞紘だった」

「…」

「酔ってる私…面倒臭かっただろうけど…でも、飽きずに隣にいてくれたから…イチゴオレ、買ってあげるって言われた時には嬉しくて」

「…」

「確かに、そう思ってたんだよ」




少なくともあの時の私は、眞紘と一緒にいたかった。変な呼び出しがあった時だって、ちゃんと戻ろうって思ってたし。

だから、あの場に落ちてたイチゴオレを拾って…妙な気持ちになった。




「イチゴオレ、ちゃんと拾ってから眞紘をずっと探したんだよ」

「…」

「でも何処にもいなかった…。聞いたら帰ったって言われた」

「…」

「呆れて帰ったんだと思った。言うことも聞かずに待っていなかった上に、変な不良に絡まれて…そして案の定何も出来ず晄に助けられて」
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