BLADE BEAST
「気にする必要もない、大したことないことかもしれないけど謝りたかった」
「…」
「あと、言いたかったの」
もやついたままじゃ嫌だから。
折角気を利かせてくれたっていうのに恩知らずな私だったってことは自分でも分かってるから。
眞紘はいつしか真剣な顔で私を見ていた。揺れるハチミツ色の髪。規則正しい瞬き。色素の薄い瞳の中には私がいた。
「あのイチゴオレ、ちゃんと飲んだよって」
────眞紘は、僅かに目を見開いていた。
カチ、カチ…と響く秒針の音。
開けて…閉じて、力を入れて…何度か口元を結んでいた眞紘は薄っすらと瞳を開けて私を見る。
「………ねぇ、莉央」
「…なに?」
「…もう、無理」
「え?」
眞紘は私の名を呼ぶ。
何度も。何度も。
「…マジで───今日は何処にも行かないで」
「…眞紘?」
キュッと私の手を引っ張る眞紘は、掠れた声で言葉を零す。
離さないように。片手で額の上に手の甲を乗せながら、横目で私を見ていた。
「…」
「あと、言いたかったの」
もやついたままじゃ嫌だから。
折角気を利かせてくれたっていうのに恩知らずな私だったってことは自分でも分かってるから。
眞紘はいつしか真剣な顔で私を見ていた。揺れるハチミツ色の髪。規則正しい瞬き。色素の薄い瞳の中には私がいた。
「あのイチゴオレ、ちゃんと飲んだよって」
────眞紘は、僅かに目を見開いていた。
カチ、カチ…と響く秒針の音。
開けて…閉じて、力を入れて…何度か口元を結んでいた眞紘は薄っすらと瞳を開けて私を見る。
「………ねぇ、莉央」
「…なに?」
「…もう、無理」
「え?」
眞紘は私の名を呼ぶ。
何度も。何度も。
「…マジで───今日は何処にも行かないで」
「…眞紘?」
キュッと私の手を引っ張る眞紘は、掠れた声で言葉を零す。
離さないように。片手で額の上に手の甲を乗せながら、横目で私を見ていた。