BLADE BEAST
「莉央だけだから」
「…まひ、」
「"俺には莉央だけなのに"」
私はハタリ、と固まった。
"だけ"って────何?
そう思いながらも眞紘は熱にうなされながらも、さらに掠れた声で口を開く。
「でも…駄目だって、"分かりきってる"…」
「…眞紘、」
「"ここ"に身を置く、"アイツ"に特に気に入られている、莉央には─────」
眞紘は、何かを伝えようとしていた。
けれど、測れない。まともじゃない発熱状態であることと、まずその言葉の意味すらも定かではない。
私は、ただ見ていた。
熱にうなされ変な夢でも見てるんじゃないか、と。らしくない眞紘を見下ろして、何か楽にできるいい方法がないかと探した。
「大丈夫?熱、しんどいの?もし氷欲しかったら────」
けれど、また引っ張られる手。
立ち上がろうとした私は姿勢を崩し、眞紘に軽く覆いかぶさるような状態が出来上がってしまった。
「…まひ、」
「"俺には莉央だけなのに"」
私はハタリ、と固まった。
"だけ"って────何?
そう思いながらも眞紘は熱にうなされながらも、さらに掠れた声で口を開く。
「でも…駄目だって、"分かりきってる"…」
「…眞紘、」
「"ここ"に身を置く、"アイツ"に特に気に入られている、莉央には─────」
眞紘は、何かを伝えようとしていた。
けれど、測れない。まともじゃない発熱状態であることと、まずその言葉の意味すらも定かではない。
私は、ただ見ていた。
熱にうなされ変な夢でも見てるんじゃないか、と。らしくない眞紘を見下ろして、何か楽にできるいい方法がないかと探した。
「大丈夫?熱、しんどいの?もし氷欲しかったら────」
けれど、また引っ張られる手。
立ち上がろうとした私は姿勢を崩し、眞紘に軽く覆いかぶさるような状態が出来上がってしまった。