BLADE BEAST
I have no choice but to step into.

揺れ出す、何か。

────それから二日後。

眞紘はまるで何事もなかったかのように飄々とした様子で溜まり場に来ていた。



入ってくるなりいつものように女達に囲まれ始める眞紘は、何処か怠そうな雰囲気を宿したまま適当に相槌をうっていた。

時々飛び交うおねだりの声にも、"また今度ね"と言ってこの場を交わす眞紘は、やはりまた今度キスとか色々しちゃったりする男なのだろうか。



…と、何故か眞紘を目で追う私がいてハッとした。気がつけば二階に向かって背を向けるヤツの後ろ姿まで見ていて、慌てて目を離す。

元気になったなら、良かった。

いつもの眞紘に戻ってくれて安心したけど、何故か私の様子が可笑しい。つっても風邪じゃない。



「莉央莉央莉央!アーシさ!今度彼氏とお泊り旅行するんだけど、何色の下着持ってったらいいと思う?」
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