BLADE BEAST
ここまで酷い事を言っているのに何故コイツは折れないのか。

本当に疑問だ。

カツカツと"そこ"を進めば賑やかな笑い声が無数に聞こえてくる。

行き交う人々。酒でも呑んでいるのだろう上機嫌な会話だったりだとか、"そこ"を通ればそれは必然的に聞こえてくる。



「また"西地区"の領域が広まったってな!」

「…鼻が高ぇってもんよぉ」



ヒャッヒャッと喉を鳴らせてまた酒を注ぎ合う男共は、この街の行く末ってやつに夢中なのだろう。

────ここは荒くれ者達が集う場所。


"G.G"


この街の西側で勢力を伸ばしている、────巨大な暴走組織。

そのトップを担っているのが私の彼氏である、宇喜多 晄だ。
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