BLADE BEAST
─────それから私は、恋バナに華を咲かせる騒がしい美織と豪太を置いて、いつものように二階に上がっていた。

普通の高校生にとっての恋バナと言えば、一番と言ってもいいほどに盛り上がるジャンルではあるが、生憎私にはそんな概念は無い。

余程恋をしていないのか。

いや、でも晄はちゃんと好きだし。


正直よく分からないんだ。美織の話を聞くと、私が本当に悲しい存在であるように思えてくるからあまり聞かないのだと思う。

晄に思ったことはないことが美織の話の中にはポンポン出てくるから。

私にとっては晄といることが本当に幸せな時間だと思っていたのに、実は全然違うんじゃないかとか、思ってしまいそうで、聞かない。



ちゃんと好き。

晄は愛してくれてるし…って。



────私は、一体何を求めてるんだろう。
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