BLADE BEAST
「それに、私はコイツが放っておけない」

「…莉央」

「そう思ったから、動いた」

「なんで、」

「晄は眞紘にショックを与えたかったのかもしれないけど…、それもちょっと私には理解できなかった」





眞紘は、らしくなく哀しそうに瞳を揺らしていた。

眞紘が過ごしてきた環境がさっき見た狂気を生んでいるに違いなくて、だから尚更そのままにしてはおけなかった。



なんとなく分かった。

多分それはきっと、一風変わった境遇にいる、私だから分かったこと。



同情?きっとそんなんじゃない。

誰にでもこんなことをする?



いや……それはきっと、眞紘だからってのが正しいんだと思う。

なんでだろう。

眞紘が傷ついてほしくない。
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