BLADE BEAST
本当に、私の部屋ってこんなに落ち着きがなかったかと思ってしまう。

いつも使ってる空間の中に眞紘がいるってことに、妙に意識が向いてしまうらしい。

体育座りをしながら、チラチラとコイツの横顔を見ていたあたり相当頭がラリってる。




「怪我は?大丈夫そう?」

「…ん」

「そ…良かった」

「さんきゅ。莉央」




例えば、これだけのことでむず痒くなることだとか。

もっと眞紘のために何かしてあげたいって思っちゃってるところだとか。



「それと…嬉しかった」



彼が嬉しそうにしてくれると私まで嬉しくなるだなんてのも、うまく出来た話だとしか思ってはいなかったのに。
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