BLADE BEAST
軽視してるわけでもない。

ただ私はその一面だけで眞紘という人間を判断したくはなかったんだ。

変に気が効くところだとか、よく身の回りの変化に気づくところだとか、素直になるとトコトン厄介なところだとか。

私はそっちの眞紘も含めて、良いか悪いかを判断してる。

ただそれだけ、なんだけど、




「…やっぱ、色々しんどい」




眞紘は眉を下げて、困ったように笑っていた。


ベッドと、ローテーブルと、テレビ、クローゼット置いてあるのはそのくらいの極めて殺風景な部屋の中で、一旦距離をとっていた眞紘は再びギシリとそれを詰めてきた。

後ろに下がってもそこは壁だった。

────私はやはり、決めなくちゃいけない。







「…奪いたく、なる────」







小さく吐き出されたその言葉の後には、息ごと丸々眞紘に呑み込まれた。

何度目かってほどのキス。

逃げられないように両手で行き場を塞いだ眞紘は、躊躇なく何度も深い口付けを落としてくるから厄介で。


本気の抵抗ってやつをしない私も、かなり厄介な女なんだと思う。

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