BLADE BEAST
「莉央」

「…」

「もしも……」




私が判断をするにあたっては"関係なく"、"どうだって良い"ことも、実際問題考えてゆくにあたっては"どうにもなんない"ようなことも十分にあり得る、のかもしれない。

だって私はただの女子高生で。

両親が不仲ってだけで特に何があるわけでもない極めて平凡な生活をしてきた所謂世間知らず。


この街の事情もよく知らないし、

てか興味もなかったし、





「もしも……俺が……」





交わされる視線。

唇に残る熱。





けれど────"興味がない"ってだけでは片付けられないようなことも、ある。




あの感触が、頭から離れない。

考えるのは眞紘のことばかり。

罪悪感も、後ろめたさも、ついに感じ始めた。



そう"思っちゃったら"最後、

きっとこれは手遅れで────。





揺れに揺れた心。

そして同時に、眞紘が発した言葉に私は目を見開くことになる。
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