BLADE BEAST
I never knew what love was until I met you.
本当の気持ちと、兆候。
眞紘の言葉に、馬鹿みたいに心臓が掴まれた。
血液が全身を急激に回ってゆくような感覚は、まるでそれ全体が沸騰しているんじゃないかというほどの刺激を生む。
今まで、特に強い意見をしてこなかったっていうのに、こういう時ばかり平静を崩して感情を露わにするだなんて。
ずっと、晄に対しても何を言うこともなく、何考えてんのか分かんない瞳をただ向けるだけ。
アンタの事情だって相当なものだっていうのに、大したことはないような顔をする。
自分のことはどうだっていい。
自分の宿命を分かっているように。
だから余計、本当はしんどいんじゃないかとか色々考えてしまうのに、アンタはそれを少しも見せない。
……のくせ、こうやって。
本当に大事な時にはこんなにも……。
馬鹿みたいに嬉しくて、でも…馬鹿みたいに胸が苦しくなるのは、それでもやっぱりまだ眞紘が儚く見えて仕方がないから。
とんでもなく嬉しいはずなのに、半面苦しい。
何で……こんなに胸が締め付けられるの。