BLADE BEAST








ただ、晄にモラルなんてものが通用しないところが問題だったりするんだ。




「待ってってば、私、いいからっ」

「えー。そんなこと言わないでよ。久しぶりに莉央から来てくれたんだから」

「ちょっ…、だって」




シャツのボタンが全開な“穂波ちゃん”は、ドギツイ赤の下着を晒したままギリギリと歯を軋ませていて。



それなのに呑気にニコニコと微笑んでこちらに向かってくる晄は、ある意味鬼畜だ。

チャックが大胆に下がったデニムを放置したまま、私の手を引っ張った。




グラリと前につんのめる。

この広いマンションには、ゲストをもてなす為の部屋が二個ほどあることを知ってはいるが、まさかここに彼女を置いていくつもりなのだろうか。
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