BLADE BEAST
唖然としながらも、私はそそくさと二つ分の角砂糖を珈琲の中にぶっ込んだ。

飲んでみると、まぁこれなら飲める程度の甘さが感じられて…助かったと我ながららしくないことを思ったり。

ふう…と息を吐いてもう一度眞紘のことを見る。


「…」

「…」


するとまた目があった。

まだ何やら楽しげに珈琲を淹れている晄をが同じ空間にいながら、直接的に会話をするわけでもない私達は、ただ視線を交わす。

……なんだ。コイツは。




再び眞紘の謎が深まった。

またその興味があるのかないのか分からない冷めた瞳を此方に向けて、図れない表情のまま珈琲を啜る。

変な、男だ。





「よぉしっ〜、あ、どう？俺が淹れた珈琲は？」





なんて思っているところに、ドサリと隣に腰を下ろしてくる晄。

晄からはフゼアの香りがした。

それもお気に入りなのかブランドには拘りがあるようで、よく私もお揃いにしようと言ってくるのだが…それは何だか気恥ずかしいと思って断っている。
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