恋とカクテル
 僕のスーツの裾を優しくつまんで、もう片方の手に持ったスマホを口元に当てた彼女が、若干上目遣いで「おねだり」をしてくる。

 ああ、まいったな、と思った。若い女性だとかそんなことは関係なく、彼女がとても魅力的な女性であることに、僕はこの時はじめて気が付いてしまった。
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