仮面夫婦だったはずですが妊娠したら、カタブツ社長は新妻への愛を抑えきれない。
お風呂に入って30分ほどで出た私は、スウェットとショーパンを着てからリビングへ入ると蓮司さんはいつも通りになっていて「おかえり」と言った。
「……ありがとう、ございます」
「水にする? お茶にする?」
「えっと……じゃ、蓮司さんと同じもので」
私はキッチンに入ると蓮司さんに引き寄せられ、彼の唇が重なった。
……え?
私、蓮司さんに……キスされてる……?
「んんっ」
こんなキス私は知らない……彼と重なる唇が熱くて息が出来なくなる。どうして、キスするの? なんで……っ
「咲良、好きだ……」
好き、って言った……の? いや、そんなわけない。空耳……だよね?
「んっ……ぁ……っ」