仮面夫婦だったはずですが妊娠したら、カタブツ社長は新妻への愛を抑えきれない。
「ただいま、母さん父さん」
「蓮司。やっと来たのね! あ、咲良ちゃんもいらっしゃい……あら、お腹も大きくなって……!」
大きな家のインターフォンを鳴らすと、お義母さまが出迎えてくれた。
「母さん、咲良を早く座らせたいんだ。中に入れさせて」
「まぁ! 蓮司ったら、そんなことを言えるようになったのね!」
お義母さまは私たちを中に招き入れた。
「司さん、蓮司と咲良ちゃん来てくれたのよ」
「あぁ……いらっしゃい。早く座りなさい」
「はっ、はい! 失礼しますっ」
威圧感半端ない……。目の圧力すごすぎ。
蓮司さんのお義父さまなんだってすぐわかる。
「堅くならなくていいのよ、司さんも私もすっごく嬉しいの。蓮司のことは諦めていたのよ、だから咲良ちゃんみたいな可愛い子と一緒になるなんて思わなかった」
「私、ガキで、すみません……」
「そんなことないわよ! 実は私と司さんも10個離れてるの。私が上だよ」
えぇ……!? 全くそんなこと聞いたことなかった。