溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
気に食わないやつ
今日の体育は、再来週に行われる体育祭の練習だった。
種目は二人三脚リレー。20メートル先のポールを回って帰って来る、というやつだ。
うちのクラスは男子が17人だから、二人組を作るとひとりあまる。
背の順でペアを決めていき、クラスで一番背の高い俺は、教育実習生の黒澤とペアを組むことになった。
「せんせー、俺とペアらしいんすけど」
紐を片手に声をかければ、ダルそうに振り向く黒澤。
女子から騒がれるだけあって、高身長にそこそこのルックス。
けどコイツ、なんとなくいけ好かない。
なんか裏がありそうなんだよな。
上っ面ではいい人ぶってるけど、腹黒そうのが隠せてない。
ま、所詮大学生だしな。普段は合コン三昧で遊びまくってんだろ。
「お前、身長いくつ?」
「178㎝ですけど」
「ふーん」
「先生は?」
「185」