溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。

「う、ううんっ、なんでもないよっ」


私は笑ってごまかした。


「あ、今日アイツら一緒に飯食うんだよな」


凪くんは、まだ居座っている嶺亜に目を向ける。


「うん、そうみたい。今日は萌花ちゃんのお誕生日だから」


「らしいな。昨日から騒いでてうるさかったわ」


嶺亜ってば、男友達の前でもはしゃいでるのかな?


小学生……いや幼稚園レベルかもしれないなあなんて思う。


「てことで、俺たちも一緒に飯食おうな?」


「へっ!?」


油断していて変な声が出ちゃった。


そっか。萌花ちゃんと一緒に食べれないとなると、私はひとり……。


「今日も天気いいし、中庭でいい?」


「うんっ!」


私が思い切り首を縦にふると、一瞬固まる凪くん。


なんだか、耳も少し赤い気がする。
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