溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
あっ、私ってば、勢いよく返事しすぎちゃったかな。
周りを見ると、一部の女子の視線がこっちに集まっていた。
凪くん、恥ずかしかったのかな。
あんな返事しちゃって、すごく嬉しい人みたいだよね。
……嬉しいのかな? どうなんだろう。
自分の気持ちがよく分からないよ。
それでも、いつもよりもお昼休みがなんだか待ち遠しかった。
キーンコーンカーンコーン……。
4時間目が終わり、お昼休み。
「乃愛ちゃん、ごめんね」
お弁当を持った萌花ちゃんが、申し訳なさそうに両手を合わせる。
「謝らないで。こっちこそありがとうだよ。嶺亜が幸せなのは、萌花ちゃんのおか
げなんだから」