溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
嶺亜がイケメンなのも自覚していて、度々アイドルの事務所に履歴書を送ったりしている。
もちろん書類審査は通過するけど、嶺亜はそういうのにまったく興味がないから、そこで話が終わっちゃうんだ。
街を歩いていても、小さいころから嶺亜はよくスカウトされていた。
「あ、おはよう藤森さん」
「お、おはようございます……」
先に新城くんに言われちゃった。
笑顔がまぶしくて、顔がまっすぐ見れない。うつむいたままボソッと返した。
「はよ~」
そこへ、まだ眠たそうな顔をした嶺亜もやって来た。
嶺亜はまだ準備が整ってなくて、髪も爆発している。
こんな姿を学校の女子たちが見たらどう思うか……。
それでもイケメンが隠せていないのがすごい……!