溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。

閉会式が終われば、そのままテントや用具の片付けにとりかかる。


私は来賓席に並べてあったパイプ椅子を戻す係になっていて、両手に持っては体育館まで運ぶ……を繰り返していた。


地味に重労働。もう何往復目かわからないし、明日はこれのせいで筋肉痛かも。


「乃愛じゃん!」


体育倉庫を出た時、凪くんが声を掛けて来た。


体育館の向かいにある用具入れから出てきたみたい。


「凪くん、お疲れ様」


最後にあんなにリレーで頑張ったのに、凪くんまで片付けの係りだったとは。


「優勝できてよかったなー」


「うん、選抜リレーのおかげだよ。凪くんすごかったね」
< 158 / 367 >

この作品をシェア

pagetop