溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
この中から……?
どれも毛先はカールされていて、あちこちに向かってはねている。こんな髪型、現実的じゃないよね……?
美容院ではできても、そのあと自分じゃできないもん。
どうしようか困っていると。
「今の髪はちょっと重めだから、空気が入るような感じでカットして、これから夏になるし、思い切って色も少し明るくしてみたらどうかな? 学校とか、大丈夫?」
こんな感じに……と示されたのは、ものすごい可愛いモデルさんの髪型。
……って言われても、私がこんな風になるわけないし。「はあ……」と苦笑いすると。
「実はこれ、僕がカットしたんだよね」
その美容師さんは得意げに言った。
「えっ!? ほんとですか?」