溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。

こんな雑誌に載るようなカットをする美容師さんになんて、お目にかかることはないと思ってたのに。


さすが都会!


ただチャラいだけじゃないんだなあ……って、美容師さんだもんね。


「きっと、すごく可愛くなると思うよ」


ほんとうに、私がこんな風になれるの……?


鏡に映る自分と、雑誌の中のモデルさんを見比べる。


思い浮かぶのは、凪くん。


私も、凪くんに釣り合うような女の子になれる……?


「顔の表情もわかるように、前髪も軽くしてみようか」


この人にかかれば私も可愛くなれるかもしれない、なんて淡い期待を抱いちゃう。
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