溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。

夜、自分の部屋でメイクの練習をしていると、嶺亜が入ってきた。


「萌花と美容院行ったんだって?」


早速、萌花ちゃんから聞いたみたい。


「うん」


「なるほどなー。へー……」


顔を近づけて、食い入るように私の顔を見てくる。


な、なによっ。


いくら嶺亜だって、じっくり顔を見られたら恥ずかしい。


「なあ、思い切ってコンタクトにしてみたら?」


なんて、嶺亜は思いがけないことを言う。


「コンタクト?」


「ああ。そこまでイメチェンするなら思い切ってメガネも外してみたらいいじゃん」


軽く言うけど。
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