溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
「メガネなかったら、落ち着かないよ……」
私にとっては、1枚壁があることがどれだけ落ち着くか。
もう視力だけの問題じゃないもん。
「メガネをかけてるのが悪いことだとは思わないけど、それが乃愛の安心材料なら取った方がいいと俺は思うんだ」
いつになく、真面目な嶺亜。
「え……」
「乃愛はもっと積極的になった方がいいよ。せっかく前髪も軽くなったんだし、メガネとって顔をあげてみたら?」
先輩に目をつけられたことは嶺亜に言ってない。
でも、もしかしたら萌花ちゃんから聞いて知ってるのかな。
「変わるなら、今がチャンスだよ」
その言葉が、すごく魔法の言葉に聞こえた。
変わるなら、今。
私だって、変わりたい。