溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。

「ねえ乃愛ちゃん。もしかして……新城くんのことが好きなの?」


こくん。


私は隠すことなくうなずいた。


萌花ちゃんに私の気持ちを打ち明けるときは、もっとドキドキして嬉しい気持ちだと思っていたのに。


こんな苦しい気持ちで伝えることになるなんて思わなかった。


「やっぱり私なんて地味のままが良かったんだよ。こんな風にしなきゃよかったかな……」


軽くなった髪の毛に触れる。


「そんなこと言わないの! だって乃愛ちゃんが大変身してクラスのみんなから大好評だったでしょ? 新城くんはその……きっと照れてるだけだよ!」


ありがとう、萌花ちゃん。


フォローしてくれる気持ちは嬉しいけど、きっとちがうよ。


なに調子乗ってんだ、ってあきれてるのかも。
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