溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
「ううん。凪くんだけだもん、あんな反応。もう、きらわれた……」
「そんなことないよ。それに、新城くんは乃愛ちゃんがイメチェンする前からずっと仲良くしてくれてたでしょ? そうだ、やきもち妬いてるんだよ!」
「そんなこと……」
「もっと自信もって」
そんな私に、よしよし、とでもいうように頭を撫でてくれた。
萌花ちゃんは、ときどきお姉ちゃんみたい。すごく頼りになって、癒される。萌花ちゃんが友達でいてくれて良かった。
友達には永遠はあるのに、好きな人とはどうしてそうなれないのかな。
凪くんをずっと友達だと思っていればよかったのかな。
私が好きになったから、おかしくなっちゃったのかな。
好きとか恋とか、そんな感情が無ければ、こんな想いもしなくてすんだのに。