溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
どこに連れていかれるんだろう。
ていうか、何の用なのかな。
不思議に思いながら連れていかれたのは、人気のない昇降口だった。
彼は私に向き直ると、真っ赤な顔のまま口を開いた。
「俺、8組の小林祥っていうんだけど。その……藤森さんのことが好きなんだ。俺と付き合ってくれないかな」
え? 私のことが好き……?
突然の告白に、頭が真っ白になる。
だって、告白されるなんて生まれて初めてだから。
もしかして、相手を間違ったりしてない? それとも、罰ゲーム?
「ダメ、かな」
小林くんは、不安そうな目を向けてくる。
えっと……本気、なの?
「あ、あの……」