溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。

問い詰められた小林くんは、ついに黙ってしまった。


「昨日今日乃愛を好きになったお前に告る権利なんてねえんだよっ!!」


凪くんがそうとどめを刺すと、小林くんは悔しそうに唇をかんで走り去ってしまった。


な、凪くん。なにもそこまで……。


「ふー……」


大きくため息を吐き出した凪くんは、今度は私に向きなおった。


ビクッ。


顔は怖いまま。私は身構えた。


「どうしたの、この髪」


少し茶色くなった私の髪を、てのひらですくう。


さらさらと肩に落ちていく髪の毛。


凪くんに触れられて、髪の毛一本一本に神経が通っているかのように、ドキドキする。

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