溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
「そ、それはそうだけど……」
確かに嶺亜はお米を研ぐことすら怪しい。
家事だってなんにもできない。
ひとりでこの家に放置したら……考えただけでもぞっとするけど。
「その人、私にとっても同級生だよね? そういうの、結構気まずいっていうか……」
凪くんが泊まりに来た時でさえ、ドキドキしたのに。
お風呂とか洗濯とか、どうなるの!?
「大丈夫よー。だって、一度この間泊まりに来てるし」
「へっ?」
あっけらかんと言ったお母さんの言葉に、私は固まる。
この間泊まりに来た? それって……。
「ほら、凪くんよ。乃愛、同じクラスなんだって?」