溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
「凪くんはこの部屋を使ってね」
「えー、いいんですか。こんなに広い部屋を使わせていただいて」
「いいのよいいのよ~」
「この間必死に掃除してたもんな。ここゴミ部屋だったから。凪が来てくれてキレイになってよかったわ」
「れ、嶺亜っ! そういう余計なことは言わなくていいの!」
嶺亜がバラしてお母さんが焦ったような声を上げる。
「はははは~」
それに対して明るく凪くんが笑い、なごんでいる階下。
それからお母さんは、凪くんにお風呂や洗面所の場所などを案内しているようだった。
その間も、私はずーっと聞き耳を立てていた。