溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
「どう? うまかった?」
「え?」
「ケーキ」
「あ、うん甘くておいしかった」
ふにゃっと顔を緩めて答える乃愛。
「夢って食べれないことが多いけど。今日は食べられたの」
とても幸せそうに。
「そう、それは良かった」
──チュ。
俺は乃愛の唇にキスをした。
「こんな味だったでしょ」
そう聞けば、口をパクパクさせながら、顔を真っ赤にさせる乃愛。
「ちょっ……凪くんっ……!!」
ケーキじゃなくて、それ俺の唇だから。
どこまでも可愛い。早く俺のものにしたい。