溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。

「寒くない?」


私は押入れから掛け布団を取り出し、タオルケットの上から被せた。


「ありがとう」


やっぱり寒かったのか、お布団をかけると丸めていた体を伸ばして上を向いた。


「ごはん食べれそう? おかゆ作ってくるね」


「悪い……」


「悪くなんてないよ。じゃあ、少し待っててね」


私はキッチンへ行き、炊飯器に残っていたご飯をお鍋に入れて、卵がゆを作った。


あとは、リンゴとスポーツドリンクを用意して……と。


それらをおぼんにのせて和室へ行くと、ピピピピ……と体温計が計測を終了する音が聞こえた。


「わっ……」


体温計を見て、顔をゆがめる凪くん。


私は慌てて近寄った。


「何度だったの?」


「38度8分」


「えっ、そんなにあるの?」

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