溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
凪くんが家に来てから3週間。ここには1ヶ月いるって聞いていたから、もう少し一緒に暮らせると思ってたのに。
急すぎるよ……。
「明日の夕飯は凪くんの送別会にしないとね」
お母さんも少し寂しそうだった。
そして、あっという間に次の日の夜。
5人で囲む最後の夕飯。
テーブルには、唐揚げやグラタンや出前のお寿司など、ごちそうが並んでいた。
「うわー、こんなに豪華な食事で送りだしてもらえるなんて、ありがとうございます」
凪くんは目の前のご馳走に驚きながら、頭を下げた。
「息子が一人増えたみたいで楽しかったのに。寂しくなるなあ」
「またいつでも遊びに来てちょうだいね」
お父さんもお母さんも、凪くんのことをすごく気に入っていたからいたから余計に寂しそう。
「はい。ほんとうにお世話になりました」
「食おうぜ食おうぜー」