溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
「つーか、泥棒ってなに? おまえ泥棒だってよ。ぎゃはははは」
新城くんを見て、手をたたきながら爆笑する嶺亜。
そうだった……!
私ってばとんでもない誤解をしちゃったんだっ。
ぶわっと顔が熱くなる。
「す、すみません……」
肩をすぼめながら、新城くんに謝った。
泥棒に間違えるなんて失礼すぎるよね。
「いやこっちこそ、ごめん。ちょうど藤森さんが出てきたところに俺が通りかかったから、びっくりさせちゃったんだね」
「あー、乃愛って風呂上りいつもメガネかけてねーもんな。見えなかったのか」
私はこくんこくんと何度も首を縦におろす。