極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
洗面所の中に入って。
あかりを点け鏡の前に立った、私。
……っ‼
……驚いた。
鏡に映っている自分の姿。
とはいっても。
正確には自分の胸。
映っているのは。
くっきりと鮮明に色づいている赤いあと。
それを見て。
ようやく気付いた。
この赤いあとは……。
そのことに気付いた私は洗面所を出て隼理くんがいる寝室に戻った。
「どう? きれいにくっきりとついていたでしょ」
とても満足そうに。
満面の笑みでそう言った、隼理くん。
「しゅっ……隼理くん、これって……」
訊きづらそうにしていると。
「そう、キスマーク」
隼理くんは、あっさりと答えた。
どう反応していいのか。
わからなかった。
隼理くんの言葉……。
『キスマーク』
それを聞いた私は。
顔からだけではなく全身から火が出そうなくらいに恥ずかしくなった。
「夕鶴、恥ずかしがっちゃって可愛い」
恥ずかしい気持ちでいっぱい。
の私とは正反対に。
隼理くんは余裕な感じに見えた。
「早くおいで、夕鶴」
隼理くんは両手を広げて。
やさしさと甘さが混じった声のトーンで私のことを呼んだ。
私は恥ずかしい気持ちが残ったまま隼理くんがいるベッドに戻った。
「夕鶴……」
隼理くんのベッドに戻った瞬間。
隼理くんは私の名前を呼び、ぎゅっと抱きしめた。
「俺も夕鶴と同じ印がほしい」
耳元でそう囁いた、隼理くん。
「むっ……無理だよっ。
私には、そんな……っ」
私は慌てながら隼理くんにそう言った。
「大丈夫。夕鶴にもできるよ」
しゅっ……隼理くんっ。
私にもできるって。
そんなわけないでしょっ。
隼理くんったら。
無茶なことを言うんだからっ。
「そっ……そんなの無理だよっ」
「大丈夫、夕鶴ならできる。
だからお願い」
そっ……そんなことを言われてもっ。