極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
七月の中旬。
あと何日かで梅雨が明ける。
梅雨自身もあと一仕事だと思っているのか。
気合を入れるように湿度を放っている。
そのせいで。
今日はいつも以上に蒸し暑く感じる。
そんな気候だけど。
今日は毎年この時期に開催する。
夏フェスの日―――。
夏フェスは。
毎年七月の中旬の土曜日に開催される。
合唱部・吹奏楽部・ダンス部・軽音楽部が順番にパフォーマンスを披露する。
場所は体育館。
こういう気候ということもあって。
全校生徒が一気に体育館の中に入ると熱中症の危険性がある。
なので午前の部と午後の部に分けて。
各学年の一組から四組の生徒たちが午前の部。
五組から八組の生徒たちが午後の部。
というようにしている。
パフォーマンスの内容は。
午前の部も午後の部も全く同じ。
今は。
午前の部が終わり。
午後の部が始まるまで約一時間の休憩時間中。
その休憩時間も、そろそろ終わり。
最初に披露する合唱部の生徒たちは午後の部に向けて準備を始めている。
私たち軽音楽部は。
合唱部と吹奏楽部とダンス部のパフォーマンスが終わってからなので。
時間的に余裕がある。
その時間を使って。
部室でバンドメンバーと最終調整をする。
休憩が終わり。
午後の部が始まった。
まずは合唱部。
その次は吹奏楽部。
どちらのパフォーマンスも。
部室にいるので観たり聴いたりすることはできない。
きっと、どちらの部も素敵なパフォーマンスなのだろうな。
そう思いながらバンドメンバーと最終調整をしている。
しばらくして。
部室にある時計を見た。
そろそろ二番目に披露している吹奏楽部の演奏が終わるころ。
次はダンス部のパフォーマンス。
そのときまでに私たち軽音楽部は体育館の舞台裏で待機することになっている。
準備を整えたダンス部の生徒たちのパフォーマンスが始まった。
キレのある動き。
部員たちの一体感。
そして部員たち全員が笑顔で輝いている。
パフォーマンスを終えたとき。
観覧していた生徒たちから、ものすごい拍手が。
それは、しばらく止むことはなかった。
合唱部と吹奏楽部のときは舞台裏にいなかったから観たり聴いたりすることはできなかったけれど。
どちらの部もダンス部と同様、すごい拍手だったのだろうな。