極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
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隼理くんと会う約束の時間。
いつものように。
隼理くんが家の近くまで車で迎えに来てくれた。
「会うの、久しぶりだね」
そう言いながら車に乗り込む。
隼理くんの車で芦達先生が住んでいるマンションまで向かう。
場所は隼理くんの車のカーナビに登録してある。
隼理くんが言うには。
私が住んでいる家を基準にすると。
芦達先生が住んでいるマンションは。
隼理くんが住んでいるマンションよりも遠いそう。
私が住んでいる家から隼理くんが住んでいるマンションまで。
車で約三十分。
隼理くんが住んでいるマンションから芦達先生が住んでいるマンションまで。
車で約二十分。
私が住んでいる家の近くから出発すると。
芦達先生が住んでいるマンションは約五十分で到着する。
五十分。
それは長いような短いような。
その間。
浮かんでいた。
頭の中で。
やっぱり。
気にならないわけではない。
芦達先生の話。
わざわざ芦達先生の部屋で話をするということは。
ある程度、重い話。
そう思わざるを得ない。
それを私と隼理くんに話す。
ということは。
私と隼理くんに関する話。
芦達先生が話す、私と隼理くんに関すること。
それは、どんな話だろう。
そう思うと。
だんだんと不安になってくる。
「夕鶴?」
ルームミラー越し。
そこから窺うように。
隼理くんが私の顔を見ている。
ちょうど信号は赤。
運転していないから隼理くんの視線はルームミラーに映っている私に集中する。
「大丈夫か?
なんか元気ないように見えるけど」
私のことを気遣うように。
隼理くんはそう訊いてくれた。
隼理くんの気遣いに。
今の正直な気持ちを伝えた方がいいのか。
迷ったけれど。
「……緊張……してる……」
全ての気持ちではないけれど。
「芦達先生の話……」
ほんの少しだけ。
今の気持ちを伝えた。
「大丈夫」
伝えてよかった。
隼理くんに。
少しだけでも今の気持ちを。
不安を消してくれる。
隼理くんの包み込むような安心感のある声。
その声を聞くことができたから。
「ちゃんと夕鶴の傍にいる」
とても心強い。
隼理くんの言葉。
それは、ものすごく安心感を与えてくれる。
「ありがとう、隼理くん。
そう言ってもらえて、とても心強い」
隼理くんの気持ち。
とても嬉しく思った。