極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です



「……それって……」


 隼理くん。

 やっと口を開いた。


 私は隼理くんの声を聞いて少しほっとした。


「うん?」


 私は、ほっとしながら隼理くんの言葉の続きを待つ。


「どうしても行かなきゃいけないのかよ」


 隼理くん……。


 隼理くんは少しふてくされたようにそう言った。


「うん、行かなくちゃいけないの。
 それにクリスマスライブは
 前々から私も含めてメンバー全員が楽しみにしているから」


 私は隼理くんの気持ちをなだめるようにやさしくそう言った。

 のだけど。


「俺といることよりも?」


 隼理くんは私が言った『クリスマスライブは楽しみにしている』
 という言葉が引っかかったみたいで。

 隼理くんは、まだふてくされている感じだった。


「そういう意味で言ったわけじゃないよ。
 隼理くんと一緒にいることも楽しいよ」


 隼理くんと一緒にいることはとても楽しい。
 そう伝えたくて。
 だから。
 そう言ったのだけど……。


「『も』ってなんだよ『も』って。
 俺と一緒にいることが一番じゃないのかよ」


 隼理くんは私が言った『隼理くんと一緒にいることも楽しい』の言葉の『も』の部分を異常に拾ってしまったらしく。

 それで隼理くんは余計にふてくされてしまって。


 そんな隼理くんのことを見た私は。
 思わず苦笑いをしてしまった。


< 18 / 147 >

この作品をシェア

pagetop